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【ボディメイク】ケトジェニックダイエットのための脂肪酸講座(ケトジェニックダイエットのメカニズム)

本記事について

前回の記事では脂質がどのようにエネルギー化されて、最終的に燃焼されるのかについて紹介しました。

人のエネルギーとなる物質はアデノシン3リン酸(ATP)です。簡単に脂肪燃焼の流れを説明すると、脂質は脂肪酸に分解された後にアセチルCoAとなり、その後アデノシン3リン酸(ATP)へ変換されてエネルギーとして燃焼されます。

しかし、これはバランス良く栄養素を摂取している場合の話となります。ケトジェニックダイエット中は糖質制限により、体内の糖質が枯渇している状態となっています。そのため、実は通常の方法とは異なる方法でアデノシン3リン酸(ATP)が生成されるようになります。

本記事では、ケトジェニックダイエット中において、どのようにアデノシン3リン酸(ATP)が生成されるのかについて説明します。

ケトジェニックダイエットでのエネルギー源

ケトジェニックダイエット時においても、人の体を動かすエネルギー源はアデノシン3リン酸(ATP)です。

アデノシン3リン酸(ATP)を生成するにはオキザロ酢酸とアセチルCoAが必要となります。アセチル CoAは糖質または前回説明した通り脂質からも作り出すことが可能です。

オキザロ酢酸はタンパク質から作成されますが、糖質制限中はこのオキザロ酢酸は糖新生という糖質を作り出す作用で利用されてしまいます。

しかし、しっかりと脂質を摂取していると、脂質からオキザロ酢酸を作り出すことが可能です。

脂質をしっかりと摂取すると、体内にアセチルCoAが大量に存在する状態となります。

この状態になると、肝臓で余剰となっているアセチルCoAからケトン体という物質を生成されます。このケトン体というのが、ケトジェニックダイエットの由来となっている物質です。

ケトン体はスクシニルCoAトランスファーゼという酵素の働きにより、コハク酸という物質を生み出します。その後、コハク酸はリンゴ酸を経てオキザロ酢酸に変化し、アデノシン3リン酸(ATP)が生成されます。

ケトジェニックダイエットを行う上で、積極的に脂質をとることが推奨されるのはこの作用があるためです。ケトジェニックダイエット中は総摂取カロリーの6割を脂質で取るように心がけましょう。

糖質を摂取すると脂肪が合成されやすくなる理由

ケトジェニックダイエットのメカニズムからは話がそれますが、糖質を摂取すると何故脂肪が合成され易くなるのかについても皆さんと共有したいと思います。

前回の記事で、リポタンパクリパリーゼ(LPL)という酵素を紹介しましたが、憶えていますでしょうか。

リポタンパクリパリーゼ(LPL)は中性脂肪を脂肪酸とグリセロールに分解する酵素です。分解された脂肪酸は遊離脂肪酸となり、脂肪細胞に取り込まれアシルCoAと呼ばれる物質になります。

また、この作用とは別ですが、糖質を摂取していると糖からエネルギーを作り出す解糖系という作用によりグリセロール3リン酸という物質も生成されます。このアシルCoAとグリセロール3リン酸が結びつくと体脂肪が生成されます。

糖質は体内で余っていると、肝臓によりコレステロールに変換されてしまいます。このようなコレステロールも体内を巡りリポタンパクリパリーゼ(LPL)によって脂肪酸とグリセロールに分解され、ゆくゆくは体脂肪となります。

更に、血糖値が上昇するとインスリンが分泌されますが、インスリンはリポタンパクリパリーゼ(LPL)の働きを活発にしますので、より脂肪が蓄えられやすい状態となります。

インスリンは筋肉の分解を抑制してくれる効果もあるのですが、ダイエットの場合は敵です。ボディメイクを行う上では、インスリンと仲良くなることが肝心ですので、皆さんもしっかりと勉強して、インスリンについて詳しくなりましょう。

まとめ

人やほとんどの動物はアデノシン3リン酸(ATP)と呼ばれる物質をエネルギー源として活用しています。このATPを生成するためには、オキザロ酢酸とアセチルCoAが必要となります。

ケトジェニックダイエット中は、このオキザロ酢酸が糖新生で消費されてしまうため、ケトン体からオキザロ酢酸を生成し利用します。ケトン体の材料はアセチルCoAですので、しっかりと脂質を摂取して、アセチルCoAが体内で大量にある状態となるように、食事の摂取を心がけましょう。